令和8年3月定例会 一般質問(個人) ②リチウムイオン電池に起因する火災防止と適正処理体制について
- 4月3日
- 読了時間: 25分
テーマ ① 共同共同親権制度導入に伴う子供の利益を守る体制整備について
② リチウムイオン電池に起因する火災防止と適正処理体制について
・一般質問にて取り上げた内容を記載します。
※伊奈町議会は、一問一答式となっております。
議員は、通告した最初の質問主題の要旨1項 目を登壇して質問した後、その質問項目について執行部が答弁を
行います。
その後、議員は自席で1つの質問項目ごとに質問し、執行部が答弁を進めて行きます。
時間は、質問及び答弁を含め75分です。
・ここでは、議場で発言する為の原稿を記載しております。
実際の質問の場で は、その場で言い回しは変えている箇所もございます。
その点に関しては、ご容赦 ください。
・正式な発言等は、「伊奈町HP 町議会:議会検索」よりご確認ください。 https://smart.discussvision.net/smart/tenant/inamachi/WebView/rd/speaker_minutes.html?speaker_id=19&search_index=99 【質問:仲島】 続いて大項目2『リチウムイオン電池に起因、する火災防止と適正処理体制について』に移ります。
近年、全国各地でリチウムイオン電池に起因するごみ収集車や廃棄物処理施設での火災、発煙事故が相次いでおり、もはや一部の自治体に限られた例外的な出来事ではなく、全国共通の構造的課題として捉える必要があります。これらの事故は、単なる現場トラブルにとどまらず、廃棄物処理施設の稼働停止や収集体制の変更を招き、住民生活に直接的な影響を及ぼします。加えて、設備の修繕費や代替処理委託費、職員や消防の対応負担など、多額の公費が投入される事例も発生しており、自治体運営や財政への影響も無視できません。議会としては、こうした影響を事後的に受け止めるのではなく、未然に防ぐ視点から廃棄物行政全体を検証する責任があると考えます。
背景には、社会全体における電動化と充電式製品の急速な普及があります。スマートフォンやモバイルバッテリー、小型家電、電動工具、電動アシスト自転車など、充電して使用する製品は、既に日常生活に欠かせない存在となっています。乾電池を交換して使用する製品が主流であった時代から、リチウムイオン電池を内蔵した製品へと急速に置き換わった結果、各家庭に蓄積されるエネルギー量は格段に増加しました。利便性が向上した一方で、誤った使用や保管、廃棄によって発熱や発火といった重大事故につながるリスクを内包する生活環境へと変化していると捉える必要があります。
特に重要なのは、事故の多くが家庭内ではなく、ごみの収集や処理の過程で顕在化している点です。一般ごみに混入した電池や、電池が内蔵されたまま排出された製品が、収集車内での圧縮や処理施設での破砕工程により損傷し、短時間で発熱、発煙、発火に至るケースが確認されています。住民に悪意がなくとも、排出区分の分かりにくさや回収方法の複雑さといった制度上の課題が、結果として事故を誘発している側面は否定できません。
このような状況は、具体的な数字からも裏付けられています。(資料①)

令和7年9月22日に案内された政府広報オンラインによれば、リチウムイオン電池が混入した一般ごみから出火し、消防隊等が消火対応を行ったケースは、令和5年度に全国で8543件に上っています。さらに埼玉県においては、令和7年6月の県議会答弁で、同年度に県内の廃棄物処理施設等で発生した火災事故のうち、約7割に当たる930件がリチウムイオン電池等に起因していると示されています。これらの数字は、本問題が日常的に発生している行政リスクであることを明確に示しています。
今後も電動化の進展により、電池搭載製品の流通量と廃棄量は確実に増加します。分別区分や回収方法が町民にとって分かりやすい仕組みとなっているのか、回収後の安全管理体制や火災発生時の初動対応、消防との連携が実効的に機能しているのかを点検する必要があります。
そこで本定例会では、国および埼玉県の状況、近隣自治体の事例を踏まえ、伊奈町としてリチウムイオン電池に起因する火災リスクをどのように認識し、回収、保管、処理に至る体制をどのように整備していくのか、また町民が安全な行動を自然に選択できる環境をどのように構築していくのかについて、行政の認識と今後の方向性を明らかにするため、一般質問として取り上げます。それでは、要旨です。
要旨1: 相次ぐリチウムイオン電池を起因とする火災や事故について町としてどのような課題と捉え、どの程度のリスクとして認識しているのか伺う。 要旨2: 環境省の適正処理方針を踏まえ、一般社団法人JBRC会員以外の製品や膨張・変形したリチウムイオン電池について、町民が迷わず適切に排出できるためにどのように周知し、回収につなげるかを伺う。 要旨3: 回収から処理までの一連の工程で、町が特に火災リスクが高いと認識している場面はどこか。また、その場面においてどの点に注意し、どの様な火災防止対策を重点的に講じているのか伺う。
【答弁】答弁者:くらし産業統括監
仲島議員のご質問の「2 リチウムイオン電池に起因する火災防止と適正処理体制について」につきまして順次お答えを申し上げます。 はじめに「1.相次ぐリチウムイオン電池を起因とする火災や事故について町としてどのような課題と捉え、どの程度のリスクとして認識しているのか伺う。」でございますが、リチウムイオン電池は、充電して繰り返し使えるため、便利である一方、過充電や破損、強い衝撃を与える等取り扱いを誤ることで、発火や発熱しごみ収集車やごみ処理施設での火災につながる危険性を有することが、課題と捉えております。一方、製造事業者が規定した使用方法や、適切に分別・保管されている場合においては、火災に至る事例は限定的であるため、リスクは管理可能であると考えております。
次に「2.環境省の適正処理方針を踏まえ、一般社団法人JBRC会員以外の製品や膨張・変形した電池について、町民が迷わず適切に排出できるためにどのように周知し、回収につなげるかを伺う。」でございますが、リチウムイオン電池などの充電式電池は、資源有効利用促進法によりリサイクルが義務付けられており、一般社団法人JBRC協力店の窓口で回収を行っておりますが、JBRC会員以外の製品や、膨張・変形が見られるリチウムイオン電池などは、回収していないため、住民はそのような製品が排出可能であるかの見極めが困難なケースがあると存じます。
町といたしましては、町のホームページで一般社団法人JBRCの回収協力店及び回収可能な製品に関するホームページを案内するとともに、協力店での回収が出来ない製品の排出方法について、具体的で分かりやすい写真やイラストを用いた周知を行い、適切な排出に繋げていきたいと存じます。
次に「3.回収から処理までの一連の工程で、町が特に火災リスクが高いと認識している場面はどこか。また、その場面においてどの点に注意し、どの様な火災防止対策を重点的に講じているのか伺う」でございますが、リチウムイオン電池が原因と思われる発火や発煙等の殆どがクリーンセンターの処理工程において発生しております。
繰り返しになりますが、リチウムイオン電池は、構造上、衝撃や外圧により発熱や発火するリスクが高いとされており、これまでクリーンセンターで発生した発火等の事例の多くは、ごみを細かくする破砕機周辺や破砕された廃棄物の貯留施設において発生しております。
火災防止対策といたしましては、手選別により出来る限り除去を行うことで発火リスクを未然に防ぐとともに、破砕工程においては複数人での監視のもと作業を行うようルール化を図っております。また、熱感知機器と連動したスプリンクラーなどにより初期消火にあたっているところでございます。
【答弁に対しての意見等:仲島】 要旨1は、町の現状認識とリスク評価、あわせて予防の基本姿勢を伺いました。 町民の安全安心、更に生活や生命を守るための視点にポイントをおき、細かく質問を進めてまいります。町民の皆さまは、是非、町の見解や方向性、現状を確認いただきたいと存じます。それでは、最初の再質問になります。 リチウムイオン電池の火災リスクや適正な取扱い方法について、町民の理解度や安全意識の現状を、町として具体的なデータや実態に基づき把握しているのか伺います。例えば、誤排出の件数、火災未遂事例、問い合わせ件数などを通じた把握は行っているのか、お示しください。
【答弁】答弁者:くらし産業統括監
リチウムイオン電池を内蔵している充電式小型家電につきましては、現在、町役場及びゆめくるに回収ボックスを設置しておりますが、回収量が年々増加していることから、認知度も上がっていると考えてございます。一方で、件数は把握してございませんが、充電式小型家電が可燃ごみ及び不燃ごみ等に混入されている事例も確認されており、町民の皆様に十分に理解が行き渡っているとはいえず、周知の方法や内容について工夫が必要であると認識しております。また、ごみ収集時における火災未遂は直近3年間、確認されておりません。クリーンセンターでは原因不明なものも含め、令和5年度26件、令和6年度57件、令和7年度が1月末現在38件の発火等が発生しております。
なお、リチウムイオン電池の、分別に関する問い合わせ件数は、把握しておりませんが、年々増加しております。
【答弁に対しての意見等:仲島】 クリーンセンターでの発火が多数発生している実態と、周知に課題があるという町のご認識は理解いたしました。それを踏まえて伺います。
これまで町として、リチウムイオン電池の火災予防や事故防止について、どのような周知・啓発を行ってきたのか伺います。あわせて、その周知がどの程度効果を上げているのか、誤排出減少などの具体的な検証や評価を行っているのかについてもお示しください。
【答弁】答弁者:くらし産業統括監
リチウムイオン電池の排出方法については、毎年、広報で周知しております。直近では、令和8年2月号のカラーページで、リチウムイオン電池を起因とした火災が多発しているため、正しい分別を促す記事を掲載したところでございます。
周知効果につきましては、リチウムイオン電池の排出量が年々増加していること、及びリチウムイオン電池の捨て方に関する問い合わせ件数が増加していることから、確実に町民への理解度は上がっているものと存じます。
【答弁に対しての意見等:仲島】
町として広報等で周知にご尽力いただいていることは分かりました。しかし、『問い合わせの増加』をもって理解度が上がっていると評価するのは少し楽観的ではないでしょうか。町民の皆さまは悪意なく、どう処分すべきか判断に迷っているからこそ、問い合わせをしているのだと考えます。平時の排出ルールですら戸惑いがある中で、もし危険な事態が起きたら、パニックになってしまうのではないでしょうか。それを踏まえて確認いたします。
万が一、家庭内でリチウムイオン電池から発煙や発火が生じた場合、町民が身の安全を最優先に行動できるよう、具体的な行動指針を町として整理し、周知しているのか伺います。周知している場合、その内容は町民が判断に迷わず適切に行動できる水準となっているのか、町の認識をお示しください。
【答弁】答弁者:くらし産業統括監
現在、町ホームページにおいて、リチウムイオン電池からの発煙や、発火した際の対処方法等についての、情報掲載はございませんが、上尾市消防本部のホームページで、「独立行政法人 製品評価技術基盤機構」が作成した、モバイルバッテリーの発火時の対処法や火災事故を防ぐポイント等についての動画を掲載し、注意喚起を行ってございます。また、令和7年10月には、消費者庁、総務省消防庁、経済産業省、環境省の連名により「リチウムイオン電池使用製品による発火事故に注意しましょう」というプレスリリースがなされております。
主な内容は、リチウムイオン電池使用製品での発熱・発火事故等について。製品を使用する際の注意ポイント。製品を廃棄する際の注意ポイント等でございます。これらを含めまして、議員ご案内の対処方法についても、引き続き、情報の周知を図ってまいります。
【答弁に対しての意見等:仲島】
緊急時の行動指針について、早急に町民に分かりやすい形での情報発信体制を整えていただくようお願いいたします。 一方で、スマートフォンやタブレットなど、リチウムイオン電池を内蔵した製品は、今や大人だけでなく子どもたちにとっても日常に欠かせないものとなっています。だからこそ、大人の対応力向上と並行して、子どもの頃から正しい知識を身につけることが家庭内の事故防止に直結すると考えます。そこでお聞きします。
家庭内事故防止や将来にわたる安全意識の醸成の観点から、学校教育や社会教育において、リチウムイオン蓄電池を含む身近な危険物に関する安全教育を実施することについて、町としてどのように考えているのか伺います。
【答弁】答弁者:教育次長
学校における安全教育につきましては、学校保健安全法の趣旨を踏まえ、各学校が学校安全計画に基づき、教育活動全体を通じて計画的に取り組むことが基本であると認識しております。リチウムイオン蓄電池を含む身近な危険物につきましては、日常生活の中で広く使用されている一方、取扱いによっては事故につながる可能性もあることから、関係機関において注意喚起がなされているものと承知しております。こうした状況を踏まえ、学校教育においても、生活安全の一環として、発達の段階に応じて、基本的な留意点や異常時の適切な行動について取り上げていくことには意義があるものと考えております。
文部科学省の示す学校安全の考え方や関係機関からの情報も踏まえながら、各学校において、必要に応じて、日常の指導の中で適切に扱われるよう、指導・助言を行ってまいります。また、議員ご指摘の安全教育につきましては、学校のみならず家庭での理解も重要でありますことから、基本的な取扱い等に関する情報について、関係部署とも情報共有を図りつつ、適切な周知の在り方を検討してまいります。
【答弁に対しての意見等:仲島】
学校教育の中で発達段階に応じた安全指導を行っていく意義をご認識いただき、また、家庭への周知に向けて関係部署との連携も検討されるとのこと、大変心強く感じます。子どもたちへの教育を通じて、家庭全体の安全意識が底上げされることを期待しております。 さて、このように町民の意識向上を図る一方で、行政が用意する回収体制そのものが、町民にとって分かりやすく、安全な行動を取りやすい仕組みになっているかが重要となります。
要旨2では、回収・処理体制が制度として妥当か、制度の狭間にある製品や状態をどう扱っているか、そして周知が町民の行動につながる設計になっているかという三点を伺いました。
それでは、再質問です。その前にリチウムイオン電池の排出方法を一覧にまとめました。
資料②をお送りします。ご覧ください。

近隣自治体や類似団体の回収体制と比較した場合、伊奈町が拠点回収を基本としている現行体制について、町民の利便性、高齢者への配慮、さらには火災防止の安全性の観点から課題があると認識しているかについて伺います。あわせて、現行体制の評価をどのように行っているのかお示しください。
【答弁】答弁者:くらし産業統括監
現在、充電式小型家電は、町役場及びゆめくるに設置した回収ボックスで回収してございますが、町民の皆様にとって排出の機会や利便性の面で、課題があると認識しておりました。こうした状況を踏まえ、令和8年4月から、不燃ごみの日に充電式小型家電をごみ集積所に排出していただけるようになります。充電式小型家電と不燃ごみの袋は分ける、電池部分を取り外す、金属の端子部分をビニールテープで覆う、電池を使い切るなどのルールを守っていただき、袋に「小型家電」と明記もしくは、令和8年度のごみカレンダーに添付するシールを貼っていただくことで、収集時に判別しやすくし、安全な回収に繋げるものでございます。充電式小型家電をごみ集積所に出せるようになることで、町民の利便性を高めつつ、収集・処理過程における事故防止にも配慮した、回収方法になると考えております。
【答弁に対しての意見等:仲島】
令和8年4月からごみ集積所での排出が可能となることで、町民の利便性が大きく向上し、適正な排出が促進されると期待いたします。袋を分ける、端子を覆うといったルール化によって、安全な回収に繋げようとする町の姿勢も理解いたしました。 しかしながら、どれほど制度を整え、周知を徹底したとしても、全員が完璧にルールを守れるとは限りません。そこでお聞きします。
制度や周知を徹底した場合でも、指定外ごみへの混入や不法投棄などにより想定外のリチウムイオン電池が流入する可能性は否定できないと考えます。その場合の現場における対応手順や判断基準は、文書化されたマニュアルとして整備されているのか伺います。また、職員や作業員への周知・訓練はどのように行っているのかお示しください。
【答弁】答弁者:くらし産業統括監
文書化したマニュアルは策定しておりませんが、ルール違反ごみや不法投棄によりリチウムイオン電池がごみ集積所等に排出された際には、電池の状態や周囲への影響など、その危険性に応じて判断することを基本としております。
具体的には、発熱等が確認されず、直ちに危険が生じていない場合には、排出者に回収していただくことを第一としたうえで、状況に応じた対応を行うこととしております。一方で、発熱等が確認され、危険性が高いと判断される場合には、町が速やかに回収するなど、安全確保を最優先とした対応を行い、必要に応じて関係機関と連携することとしており、画一的な対応ではなく、実情に即した運用を行っております。また、月1回、環境対策課、クリーンセンター、収集運搬及び運営委託業者によるクリーンセンター安全衛生協議会を実施し、その中で情報共有を図っております。
【答弁に対しての意見等:仲島】
安全確保を最優先とし、危険度に応じた回収対応をしていただいている現状は確認いたしました。現場での初動対応の方針は分かりましたが、発熱リスクのある電池等を回収したのち、施設内でどのように安全に留め置くのかという『物理的な管理体制』が次の課題となります。続いて確認いたします。
回収されたリチウムイオン電池について、一時保管方法、保管場所の区分、温度管理、消火設備などの火災防止対策はどのように講じられているのか伺います。
あわせて、膨張・変形・破損した電池を含め、現行の保管体制について第三者点検や定期的な見直しを行っているのか、火災予防及び作業者安全確保の観点から十分であると判断する根拠をお示しください。
【答弁】答弁者:くらし産業統括監
現在、役場及びゆめくるに設置してある回収ボックスに排出された充電式小型家電は、毎日、業務終了後に別棟のごみ庫に移動してございます。また、可燃性のごみとは、離して保管していることから、火災の危険性が低いため、消火設備等は設置してございません。なお、現行の保管体制につきましては、環境省より発出されております「市区町村におけるリチウム蓄電池等の適正処理に関する方針と対策集」において、雨風による影響を受けない屋内でなおかつ、耐火性の容器に保管することと明記されており、町の保管場所はこれに準じていることから現状、見直しの必要はないと考えてございます。
【答弁に対しての意見等:仲島】
環境省の基準を満たしているとのことですが、『可燃ごみと離しているから火災の危険性が低く、消火設備も設置していない』というご認識には強い危機感を覚えます。リチウムイオン電池はそれ自体が発火源となる特性を持っています。現状維持にとどまらず、より一層の安全確保策を常に模索していただきたいと要望いたします。ここからは、施設全体におけるさらに重大な火災リスク管理について伺います。
要旨3においては、火災発生リスクの把握と重点管理、火災防止のための予防対策の実効性、そして火災発生時における対応力と町民生活への影響を伺いました。
他自治体で発生したリチウムイオン電池火災の事案について、直近数年の具体的事例をどのように把握し、どのような検証を行い、伊奈町の対策に反映しているのか伺います。また、万が一火災が発生した場合に備え、消防や近隣自治体との協定や連携体制はどのように整備されているのかお示しください。
【答弁】答弁者:くらし産業統括監
他自治体で発生したリチウムイオン電池火災の事例につきましては、国や県、業務委託先事業者から原因や発生状況などの情報を収集し、クリーンセンターにおける類似事例や類似個所と照らし合わせた検証作業を行っております。これらの検証作業やクリーンセンターにおいて発生した発火事例を基に、令和5年度に実施した不燃処理施設火災対策工事及び、令和4年度から令和6年度にかけて実施した基幹的設備改良工事において、それぞれ熱感知機器と連動したスプリンクラーを設置したところでございます。消防や近隣自治体との協定や連携体制の整備でございますが、これまで町と運転管理業務事業者とで作成した緊急対応マニュアルに基づき訓練を行ってまいりましたが、上尾市消防本部から新たに火災対応マニュアルを作成するよう求められた事から、現在、策定に向け準備を進めております。近隣自治体との連携におきましては、県内の市町村及び一部事務組合で構成された埼玉県清掃行政研究協議会の県内協力体制において県内自治体との応援協力体制が整えられております。
【答弁に対しての意見等:仲島】
過去の事例を検証し、スプリンクラーの設置などハード面での対策を着実に進めていただいている点は評価いたします。また、県内の応援協力体制という枠組みがあることも理解いたしました。しかし、どれほど初期消火設備を整えても、火災が発生すれば一定期間、施設の稼働を停止せざるを得ない事態が想定されます。枠組みだけでなく、実際に町民のごみをどう処理するのかという実効性が重要です。そこでお聞きします。
ごみ処理施設火災が発生した場合、施設停止による町民生活への影響や、広域的な代替処理体制への依存などをどのように想定しているのか伺います。あわせて、代替処理先の確保や広域連携の具体的な備えが整備されているのかお示しください。
【答弁】答弁者:くらし産業統括監
火災により施設が稼働停止となった場合の町民生活への影響でございますが、火災の規模によりごみの収集停止などの影
響が想定されます。広域的な代替処理体制につきましては、先程お答えいたしました埼玉県清掃行政研究協議会の県内協力体制による相互間の応援協力体制の中で、受入れ可能な自治体に加え、現在取引がある民間事業者に処理を依頼する運びとなると存じます
【答弁に対しての意見等:仲島】
火災の規模によってはごみの収集停止という町民生活への甚大な影響が生じる可能性があること、そしてその際の代替処理の枠組みについて理解いたしました。当然のことながら、そのような最悪の事態に至らせない、あるいは被害を最小限に食い止めることが何より重要です。そこで鍵となるのが、火災発生直後の現場での初動対応です。そこでお聞きします。
回収・保管・処理の過程において異常発熱や発煙、火災が発生した場合、消防到着前の初動対応はどのような体制および指揮系統で行われるのか伺います。あわせて、文書化された危機対応マニュアルの有無、通報体制、消防との連携手順についてご説明ください。
【答弁】答弁者:くらし産業統括監
クリーンセンターにおきまして発煙や火災が発生した際は、町と運転管理業務事業者により作成した緊急対応マニュアルに則り、初期消火活動を行うと同時に、町職員が現状を確認して消防に連絡する体制となっております。消防との連携手順でございますが、運転管理業務事業者が消防車両の誘導、状況報告を行い、クリーンセンター職員が点呼結果及びけが人の有無を報告します。
【答弁に対しての意見等:仲島】
町と業務事業者によるマニュアルに則った初期消火や、消防への通報・誘導といった基本的な初動体制が整っていることは確認いたしました。しかしながら、リチウムイオン電池の火災は、一度火が消えたように見えても再燃したり、長時間の冷却を要したりするという、一般的なごみ火災とは異なる特有の厄介な性質を持っています。基本的なマニュアルがあることは分かりましたが、その『特有の性質』に対する現場の実践的な備えはどうなっているのかお聞きします。
リチウムイオン電池火災は再燃や長時間冷却を要する特性がありますが、その点を踏まえた訓練や対応手順は整備されているのか伺います。実際に再燃を想定した訓練を実施した実績があるのかについてもお示しください。
【答弁】答弁者:くらし産業統括監
再燃のリスクがある電池等は必要に応じて水に浸けるなどの処理を施したうえ、速やかに耐火性密閉容器に保管することで再燃防止にあたっております。訓練につきましては、通報、初期消火、避難誘導の各訓練を行った実績はございますが、再燃を想定した訓練は行っておりません。
【答弁に対しての意見等:仲島】
手順があることは分かりましたが、『再燃を想定した訓練は行っていない』という現状には危機感を覚えます。頭で分かっていることと、緊迫した現場で実際に動けることは違います。さらにリチウムイオン電池の火災の恐ろしさは再燃だけではありません。大量の有毒ガスや、爆発的な燃焼を伴うケースもあります。そうした命に関わる危険な現場に立ち向かう作業員に対し、町として本当に十分な装備と教育を提供できているのでしょうか。そこでお聞きします。
有毒ガスや爆発的燃焼の危険性を踏まえ、消防職員およびクリーンセンター作業員に対する装備の内容、教育・訓練の実施状況、訓練頻度について具体的にお示しください。その水準をもって十分であると判断している根拠もあわせて伺います。
【答弁】答弁者:くらし産業統括監
上尾市消防本部に確認したところ、消防本部では隊員が現場でリチウムイオン電池火災などに適切かつ安全に対応できるよう、定期的に座学講習や実技訓練を行っています。これにより、火災の特性や消火方法について理解し、活動に生かせる知識と技術を身につけております。また、装備につきましても他の火災同様に万全の態勢であたっていると伺っております。クリーンセンターで初期消火にあたる作業員は、常にヘルメット、手袋、ゴーグル、防塵防毒マスクを着用して日常業務に携わってございます。 また、運転管理業務事業者社内の安全衛生研修を毎月1回、初期消火訓練を年1回実施するとともに、消防本部主催の防火管理者向け研修会に社員を派遣しております。作業員の装備や、教育、訓練の頻度等を含めた危機管理全般におきましては、常に高い水準を維持しなければならないと認識しておりますので、今後におきましても様々な取り組み事例等を参考に改善を重ねてまいります。
【答弁に対しての意見等:仲島】
消防本部における専門的な訓練の実施や、クリーンセンター作業員に対する日常的な保護具の着用、研修の実施など、現場における一定の安全確保策が講じられていることは確認いたしました。また、今後も改善を重ねていくという姿勢も評価いたします。
これまで町内の施設における体制について伺ってまいりましたが、回収されたリチウムイオン電池は、最終的に外部の業者へ処理を委託することになります。町の手を離れた後の安全管理や適正処理がどう担保されているかも、同様に重要です。そこでお聞きします。
回収したリチウムイオン電池の処理を委託している場合、その委託業者の選定基準、安全基準の契約条件への明記状況、処理過程の確認方法など、適正処理をどのように担保しているのかお示しください。
【答弁】答弁者:くらし産業統括監
リチウムイオン電池を含む廃乾電池の処分にあたりましては、埼玉県清掃行政研究協議会の取りまとめにより、廃棄物を安全かつ適正に処理できるとして公益社団法人全国都市清掃会議から指定を受けた処理事業者との間に業務委託契約を締結しております。処理事業者の安全性の確認や適正処理の履行確認につきましては、同協議会事務局である越谷市及び複数自治体の職員による現地確認を毎年行っており、適正に処理されていると報告を受けてございます。また、使用済み小型家電等につきましては、再資源化を適正に行うことが出来る者として国から認定された事業者に処分を委託しております。
【答弁に対しての意見等:仲島】
複数自治体による現地確認が行われるなど、外部委託先での適正処理に向けた管理体制が整っていることは承知いたしました。一方で、町内施設における火災予防や有事の対応力を真に高めるためには、行政や事業者だけの視点にとどまらず、火災対応の専門機関である消防の知見を、平時の計画や体制にどう落とし込んでいるかが極めて重要になります。そこでお聞きします。
消防の専門的知見を、回収方法、保管体制、訓練計画、住民周知などにどのように反映しているのか伺います。あわせて、消防との定期的な協議や合同訓練の場が設けられているのかについてもお示しください。
【答弁】答弁者:くらし産業統括監
これまで、リチウムイオン電池火災等に関する消防の専門的知見による指摘などは受けてございません。今後におきましては、これまで行ってきた合同訓練に加え、新たに策定する火災対応マニュアルを基に、消防の専門的知見を取り入れた訓練や住民周知に取り組んでまいりたいと存じます。
【答弁に対しての意見等:仲島】
今後は消防の専門的知見を現場の訓練や町民への周知にしっかりと反映させていく方針、承知いたしました。こうした個別の対策改善を確実に進めていただくことはもちろんですが、今後さらに増え続ける火災リスクに対しては、町としての総合的な戦略とスケジュール管理が不可欠となります。最後の質問です。
今後増加が見込まれるリチウムイオン電池火災に対し、現行体制のどの部分に課題があると認識しているのか伺います。また、単なる調査・研究にとどめず、一定の方向性やロードマップを整理し、期限を示して町民に説明していく考えがあるのかお示しください。
【答弁】答弁者:くらし産業統括監
可燃ごみや不燃ごみに紛れてしまうことでごみ収集車やクリーンセンター内での火災リスクが高まることから、まずは町民の方にリチウムイオン電池が含まれている充電式小型家電を認知し、分別を徹底していただくことが重要であると存じます。
令和15年度には上尾市との新たなごみ広域処理施設の稼働が控えていることから両市町の住民がわかりやすく、誤排出しないようなごみ収集カレンダーの表記や周知等について、上尾市と協議を進めております。
【答弁に対しての意見等:仲島】
令和15年度の新施設稼働を見据えた上尾市との協議や、分別の徹底に向けた方向性について承知いたしました。本日の議論を通して改めて痛感したのは、行政による設備改修やマニュアル整備だけでは、この火災問題の完全な解決は不可能だということです。リチウムイオン電池という身近な危険物を最初に手にし、排出するのは他でもない町民の皆様です。だからこそ、町民一人ひとりの正しい理解とご協力が必要不可欠であり、町民の皆様の協力なくして、この問題は絶対に解決できません。行政には、町民の皆様から確実な協力を引き出せるよう、迷わず安全に分別できる『分かりやすい周知と仕組みづくり』を徹底していただくよう強く求めます。そのうえで、行政・事業者・そして町民が一体となって、私たちの生活と現場の安全を守る体制を築いていくことを心から要望し、私の一般質問を終了いたします。ありがとうございました。



