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行政視察報告書           令和7年2月12日~13日

  • n42yuta930
  • 3月11日
  • 読了時間: 9分

令和7年2月12日から13日にかけて行政視察に行ってまいりました。 場所は、宮城県大和町と女川町です。 視察目的は下記の2点になります。

①大和町は、住宅取得支援及び企業支援について ②女川町は、図書館併設役場庁舎について   ※大和町は、「たいわちょう」と読むそうです。 先ずは、大和町と女川町の概略からです。 ・大和町について (大和町HP https://www.town.taiwa.miyagi.jp/choseijoho/gaiyo/3142.html)

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大和町は仙台市から約20キロメートル北に位置し、蝶が羽を広げたような形をしています。東西に吉田川、南北に国道4号と東北縦貫自動車道が走り、大和インターチェンジも設置されています。

また、昭和62年に完成した南川ダムに続き、平成10年3月、宮床ダムも完成している水源の町でもあります。国道4号が走っている町の中央部がもっとも狭く、南北に約1キロメートルしかないものの、

東西には山形県との県境から約32キロメートルの距離があり、面積は県内第12位の広さとなっています。(大和町HPより出典) ・女川町について (女川町HP https://www.town.onagawa.miyagi.jp/02_01_01.htm)

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女川町は、宮城県の東、牡鹿半島基部に位置し、東日本大震災により被災した三陸地域に創設された「三陸復興国立公園」地域に指定されています。

奥州三大霊場の一つである「霊島 金華山」は、近年パワースポットとしても人気があり、女川港から定期船が出ています。

北上山地と太平洋が交わる風光明媚なリアス式海岸は天然の良港を形成し、カキやホタテ・ホヤ・銀鮭などの養殖業が盛んで、世界三大漁場の一つである金華山漁場が近いことから、魚市場には年間を通じて暖流・寒流の豊富な魚種が数多く水揚げされています。

歴史深い出島・江島の島巡りや釣り・ダイビングが楽しめるほか、自然の香りが心地よい山々には希少な山野草が多く生息します。 (女川町HPより出典) ・伊奈町との比較 伊奈町、大和町、女川町の状況を自分なりに調べました。 大和町も女川町も、財政力指数が伊奈町よりも高い状況です。大和町は、東北自動車道の大和インターに近接しており、地理的優位性を生かし企業誘致に成功しています。 女川町は、ご存知の方も多いと思いますが、原発(東北電力の固定資産税・町税の約85%以上を占めると言われています。)の誘致によるものです。 ※財政力指数とは・・・地方公共団体の財政力を示す指数で、行政活動に必要な財源をどれぐらい自力で調達しているかを表し ています。財政力指数が1以上であれば不交付団体で、地方自治体の財源を補填する普通地方交付税が交付されなくなります。埼玉県内では、戸田市や三芳町が有名です。

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●大和町の移住・定住支援事業について 大和町ですが、財政的な余裕はありますが、生産年齢人口の減少と高齢者人口の増加が顕著 とされており、若年層の移住・定住を積極的に進めています。 ①子育て世代等移住・定住応援事業 若い世代や子育て世帯の定住を促すため、市街化地区以外の人口減少が続く特定地域(町が指定した地域)への移住・転居世帯に住宅取得やリフォーム代の一部助成するもの。 ②三世代同居応援事業 新たに子育て世帯の転入・転居により町内で三世代同居する世帯を対象に引越し費用及びリフォーム費用の一部を助成するもの。 ③空き家住宅購入支援事業 町内に定住する意思のある若い世代が、建築後20年を経過した空き家を購入する・建替え・リフォーム工事及び空き家の土地購入に補助金を交付するもの。 ④大和町移住支援事業 東京圏内(東京都・埼玉県・千葉県及び神奈川県)から大和町へ移住する者の移住経費の負担軽減するため、移住支援金の支給要件を満たした場合費用の一部を交付する。 これ以外にも空き家・空き店舗バンクがあります。 ●大和町地域でがんばる事業者応援補助金について 地域資源を生かし、活力のある商店街の形成を目的として、町の特産品となりうる商品開発や既存店舗のイメージアップのための改装、空き店舗を利活用して新規創業を行う事業者に対して、費用の一部を補助する。

①商品開発支援事業

大和町優良特産品推奨対象となる商品の開発に係る広告宣伝費、包装資材等の制作費、試作に係る材料費

②イメージアップ支援事業

既存店舗のイメージアップを図るための改装費(看板設置・交換等工事)

③空き店舗活用支援事業

空き店舗を利活用し、町内に新規出店する個人事業主、法人またはその他の団体への費用

(店舗取得費、店舗改装費、店舗賃借料→これは12ヶ月)


~大和町の施策を通じ伊奈町の未来を考える~

① 若手職員のアイディアを活かす仕組みが必要

職員の柔軟な発想を積極的に取り入れる姿勢を感じとりました。一方で、伊奈町では慎重な姿勢が強く、他市町の動向を見極めた上で事業を進める傾向があります。その結果、「スピード感」に欠け、移住・定住者の関心を引き付ける施策が後手に回っている現状があると感じました。「失敗してはならない」という意識が根強く、挑戦が遅れることで、チャンスを逃しているのではないでしょうか。今後は、失敗を恐れず、小さく始めて改善を重ねる「トライ・アンド・エラー」の精神が求められます。

② 移住・定住者のニーズに即した施策の重要性

移住・定住者のニーズに合ったメニュー設定が成功のカギとなっていました。試行錯誤を繰り返しながら、ニーズに合わないものは思い切って見直すことで、魅力あるまちづくりを実現しています。伊奈町においても、「完璧な施策」を目指すのではなく、「まずはやってみる」という姿勢が必要ではないでしょうか。スピード感をもって取り組み、住民の意見を聞きながら修正を重ねていくことで、本当に求められるまちづくりができるはずです。

③ 事業者支援の効果と今後の可能性

視察先では、事業者応援補助金を活用し、これまで地域になかった業種の店舗が増えたことが、大きな成果として報告されました。例えば、ドッグカフェの開店により、新たな住民の交流の場が生まれました。また、「二次流通店舗」の進出も見られ、特に高齢者の買い物環境の改善につながる可能性を感じました。伊奈町においても、例えば丸山地区のような買い物困難地域にこうした店舗を誘致することで、住民の利便性向上に貢献できるのではないでしょうか。

伊奈町の未来のために

視察を通じ、改めて「スピード感を持った挑戦の重要性」を実感しました。慎重な姿勢は必要ですが、時には思い切った決断も求められます。「やってみなければわからない」ことを恐れず、住民とともに新たな挑戦を続ける町こそが、魅力的な未来を創るのではないでしょうか。伊奈町の発展のために、皆さんと共に考え、行動していきたいと思います。


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これは、大和町からいただいた封筒です。 このサイズ、正直、再利用しにくいです。 封筒の中央付近に「キリトリ線」があり、

この線からカットすると定形外封筒になり、

再利用することができます。

これも職員からのアイディアだそうです。 思わず「凄い」って叫んでしまいました。









●女川町の図書室(つながる図書館)併設役場庁舎ついて 2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震により岩手・宮城・福島を中心とする太平洋沿岸は、甚大な被害を受けたことはご存知かと思います。

女川町においても町役場をはじめとする公共施設が被害を受け、行政機能が停止し、死者・認定者が827名、建築物被害数が全壊2,924棟、大規模半壊149棟、半壊200棟となりました。

   (女川町役場等基本計画・抜粋より)

その再建にあたり各機能の集約配置を基本的な考えとし、役場を建設した経緯があります。 また、建設にあたり将来を見据え環境配慮並びに建設費・維持費の抑制を強く意識した経緯があるそうです。

基本計画方針として①安心・安全が確保できる。②眺望の確保と自然との調和。③女川らしい場のある施設。④複合化によるコンパクトで利便性、機能性高い施設。⑤持続可能な施設づくり。となっています。 この様な背景から、図書室併設の庁舎となりました。庁舎のそばに学校が隣接されている事もあり、下校途中に子供達の集いの場にも図書館はなっている状況です。


●図書館の風景

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子ども達の目線で本が選べる配慮は欠かせません。










全体的に圧迫感を感じないレイアウト。 書店の雰囲気を大切にしている工夫。 本棚の脇には、子ども達の手形(青いプレートには)ありました。



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海が見えるフリースペースは、居心地  が良さそうです。このスペースを利用  して学生が勉強していました。 



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木製の椅子や机が優しさを感じさせます。







~温もりある図書室の可能性~

「温もりある図書室」の在り方について考えさせられました。視察先の図書室は、子どもたちだけでなく、大人にとっても心地よい空間が広がり、「本のある場所」としての魅力を存分に感じることができました。

①図書館の新たな可能性

私のこれまで、図書室といえば静粛な空間であり、どことなく緊張感や冷たさを感じる場所というイメージがありました。しかし、女川町の図書室ではそのような印象は一切なく、むしろ「優しさ」や「居心地の良さ」を感じることができました。これは、単なる本の貸し出しの場ではなく、人が集い、学び、リラックスできる場として設計されているからではないでしょうか。

②「書店のような図書室」という工夫

視察先の職員の方が「書店をイメージして」とお話しされていたのが印象的でした。書店のように本が手に取りやすく、レイアウトも親しみやすい工夫がされていたため、訪れた人が自然と本に触れる環境が整っていました。こうした取り組みは、ネット社会において本の価値が変化しつつある今だからこそ、特に重要なのではないでしょうか。本との距離を縮めるためには、「本を借りるためだけの施設」ではなく、「本を楽しむ空間づくり」が求められているのです。

③伊奈町への提言

伊奈町においても、こうした「温もりある図書館」の設計を取り入れるべきだと強く感じました。図書室は単なる知識の提供の場ではなく、町民にとって心が安らぐ場所でもあるべきです。居心地の良い空間を整え、多世代が自然と集まる場を作ることで、町全体の文化的な豊かさにも繋がるのではないでしょうか。

町民の皆様とともに

今回の視察を通じて、図書館の在り方は時代とともに変化していくべきだと実感しました。これからの図書館は、「知の拠点」であると同時に、「人がつながる場所」としての役割を果たすべきです。伊奈町の未来を考える上で、町民の皆様とともに、温もりのある図書館づくりを進めていきたいと思います。


最後に このたびの行政視察を通じて、先進事例を持つ自治体を実際に訪れ、現場の声を聞き、肌で感じることができました。これは、議員活動を行う上で大変貴重な経験となりました。

他自治体の取り組みを見て改めて実感したのは、「挑戦することの大切さ」です。成功している自治体には、失敗を恐れず、スピード感を持って新しい施策に取り組む姿勢がありました。伊奈町においても、この視察で得た学びを活かし、町民の皆さまの生活の質を向上させるために、できることを一つひとつ形にしていきたいと考えています。

町の発展には、町民の皆さまの声が何よりも大切です。今回の視察で得た知見を皆さまと共有し、より良いまちづくりに向けて議論を深めていければと思います。

このような貴重な機会をいただいたことに感謝するとともに、今後も皆さまの声を大切にしながら、伊奈町の未来のために尽力してまいります。

仲島ゆうた 日本維新の会・伊奈町議会議員

©2023 仲島ゆうた 日本維新の会・伊奈町議会議員

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