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令和7年3月定例会         一般質問(個人)

  • n42yuta930
  • 3月18日
  • 読了時間: 30分

更新日:6月15日

【伊奈町議会】 令和7年3月定例会 一般質問について ・一般質問にて取り上げた内容を記載します。

 ※伊奈町議会は、一問一答式となっております。

  議員は、通告した最初の質問主題の要旨1項 目を登壇して質問した後、その質問項目について執行部が答弁を行います。

  その後、議員は自席で1つの質問項目ごとに質問し、執行部が答弁を進めて行きます。

  時間は、質問及び答弁を含め75分です。

・ここでは、議場で読み上げる為の原稿(読み原稿)を記載しております。

 実際の質問の場で は、その場で言い回しは変えている箇所もございます。       その点に関しては、ご容赦 ください。

・正式な発言等は、「伊奈町HP 町議会:議会検索」よりご確認ください。


導入

本定例会では、これまで取り上げた一般質問の進捗確認と、新たな取組みとして東京都港区が2025年4月より導入する「プレクラス制度」について提案いたします。

進捗確認としては、職員研修、がん患者支援、子ども用車いすの啓発、および庁舎のバリアフリー化について取り上げます。


●職員研修について

【質問:仲島】

 まずは、職員研修についてです。自治体行政の現場では、住民ニーズの多様化や社会情勢の変化に対応するため、行政職員の能力向上が不可欠です。しかし、現状では研修に対する関心が低く、十分な時間や予算が確保されていない自治体も少なくありません。行政の役割は法令遵守にとどまらず、地域社会の発展を支える基盤となるものであり、その質の向上は住民満足度に直結します。特に福祉、教育、防災などの分野では、職員の専門性や判断力が適切な行政サービスの提供に不可欠です。一部では、研修が業務の負担やコストと捉えられがちです。しかし、むしろ長期的には行政の効率化と質の向上に資する「戦略的投資」です。職員が最新の知識と実務能力を習得することで、行政対応力が向上し、結果として業務の円滑化や住民の信頼向上につながると確信しています。

それらを再度踏まて、大項目1の要旨になります。


要旨1.令和6年度においての職員研修に対する成果と課題は、どの様な点かを伺う。

要旨2.その課題を令和7年度は、どの様に反映させ取り組んでいくのかを伺う。

要旨3.令和6年度は「メンター制度の実施に係る規定」整備を行うと答弁があったが、     その作成状況とメンター制度導入予定日を明確に提示願う。

要旨4. 若年層の離職防止について「エンゲージメントを高める取り組み」ついて伺う。

【答弁】

要旨1について.答弁者:企画総務統括監(総務課)

仲島議員のご質問の「1.職員研修について」につきまして、順次お答えを申し上げます。

はじめに「1.令和6年度においての職員研修に対する成果と課題はどの様な点かを伺う。」でございますが、成果といたしましては、例えば入庁1年目から5年目の職員を対象に実施した「仕事の進め方研修」では、職場での自分の役割・立場を再確認した上で、優先順位のつけ方や、仕事を円滑に進めるためのコミュニケーションなど、効率的な仕事の進め方について習得させました。受講した職員からは、「チームワーク、学ぶ姿勢、コスト意識を持つことが重要であることを学んだ。今後、業務の中で意識して取り組んでいきたい。」などといった声をうかがってございます。

 また、入庁6年目から主任級以下の職員を対象に実施した「OJT研修」では、部下・後輩に合わせた関わり方や、上司・先輩としてのあり方を学び、育成方法を習得させました。受講した職員からは、「新採用職員の指導を受け持つ際の不安が小さくなった」などといった声をうかがってございます。このように、職員の階層ごとに、現在必要であると思われる、職員の資質の向上を図ることができ、組織としても質の向上が図れたことが、成果であると捉えております。また、このような成果を周囲の職員へフィードバックすることを促し、さらに成果が大きなものとなるよう努めてまいります。

 次に、課題といたしましては、町で実施する研修は、時代に沿った行政課題や住民対応、職員背景などを考慮し、その時点で最も必要とされる研修を、精査しながら実施しております。また、昨今の複雑な社会情勢の中、年々、住民ニーズの多様化、若手職員の定職意識の変化などへの対応が必要であると認識しております。このような背景の中、住民サービスの質の向上を着実なものとしながら、職員の質の向上と良好な職場環境の確立を両立させた上で、職員個々のみでなく組織としてもグレードアップしていくことが、課題であると捉えております。

また、研修内容の検討にあたりましては、アンケートなどによる職員の希望も参考にしておりますが、全ての希望をかなえることは、困難であるという点も、課題であると捉えております。

要旨2について.答弁者:企画総務統括監(総務課)

次に、「2.その課題を令和7年度はどの様に反映させ取り組んでいくのかを伺う。」でございますが、先ほどご答弁申し上げた、職員個々のみでなく、組織としてもグレードアップする点については、住民ニーズの多様化に、しっかり対応できるよう、座学形式や現場形式を含め、幅広くその時々でどのような研修が効果的かを、しっかり見極めながら、メニューや実施時期などを総合的に検討し、実施してまいります。

 また、アンケートによる全ての職員の希望をかなえることが困難であるという点については、広く受講機会の確保を進めてまいります。その手段といたしましては、例えば、彩の国さいたま人づくり広域連合で実施している、eラーニングシステム「e-Lab」(イーラボ)の活用が有効であると考えております。この研修は、市町村等職員を対象とし、令和5年度では、180以上の幅広い分野の動画を配信しているものでございます。職員へ更なる周知を行い、少しでも職員の希望に沿った研修が受講できる、環境づくりを進めてまいります。

要旨3について.答弁者:企画総務統括監(総務課)

次に「3.令和6年度は「メンター制度の実施に係る規定」整備を行うと答弁があったが、その作成状況とメンター制度導入予定日を明確に提示願う。」でございますが、令和5年度にメンター養成研修を実施し、メンターとなる職員の養成を行いました。さらに令和6年度も、メンターとなる職員の養成研修を行い、メンターとなりうる人材の確保を図っております。また、メンター制度の実施にかかる規程を、令和6年度末までに整備し、令和7年度入庁の職員を対象として、令和7年6月頃からメンター制度を開始する予定でございます。

要旨4について.答弁者:企画総務統括監(総務課)

次に、「4.若年層の離職防止について「エンゲージメントを高める取組を進める」と答弁があったが、イベント等に直接関わらない職員に対しての取組について伺う。」でございますが、概ね全ての若手職員は担当する業務以外のイベント等に、様々な形で関わっております。例えば、さくらまつり、バラまつり、伊奈まつりなどの観光協会の行事や、忠次レキシまつりや防災訓練などの毎年実施している町の行事、先日開催された、インターナショナルフェスタINいななど、様々ございます。

今後も若手職員には、様々なイベント等に参加していただき、町民の方と触れ合う機会を大切にし、町民のための仕事であること、かつ、達成感を得ることを実感してもらえるように取り組んでまいります。


【確認・質問等】

【要旨1及び2についての確認等:仲島】

自治体における職員研修には、いくつかの課題が存在すると考えます。

第一に、研修内容の実務適用の課題です。研修で得た知識が実際の業務で活かされる機会が少なく、職場の実態と研修内容に乖離がある場合、学んだスキルが十分に発揮されません。研修と実務の連携を強化し、現場で活用できる内容とすることが求められます。

第二に、研修機会の格差です。予算や人材不足、日々の業務負担により、職員によって研修参加の機会に差が生じているのではないかと考えます。公平な学習機会の確保は、組織全体の能力向上につながるため、計画的な研修機会の提供が必要です。

第三に、研修評価とフィードバックの不足です。研修後の評価が十分に実施されていないため、効果測定が難しく、課題の特定や研修内容の改善が後回しになりがちです。

 受講者のフィードバックを反映し、研修の最適化を図ることが不可欠です。また、今後は、より専門性が問われる時代となるため、福祉、保健、教育、技術職などの専門職員の育成に注力すべきです。様々な部門を経験することは成長につながる一方、専門性を生かすべき年数での異動は逆効果になり得ます。そこで、専門性を重視した人事運用について、どのように考えているのか、再質問いたします。

【再質問:仲島】

例えば、上下水道の技師は、伊奈町に現在何人いらっしゃいますか。万が一、この技師が退職した場合は、事業が停止する事はありませんか。

【答弁】答弁者:企画総務統括監(総務課)

町職員全体の中で、土木や建築の資格を持つ技師として採用された職員は、12名でございます。そのうち現在、上下水道課には2名配置しております。また、上下水道事業を遂行するにあたり、代表的な例として、上水道事業を遂行するために必要な「水道技術管理者」の資格があります。「水道技術管理者」は実務経験等、一定の要件を満たした場合には、一般事務職員も資格を有することができます。

 「水道技術管理者」の資格を有する職員は、現在、町全体で11名(技師5名、一般事務職6名)でございます。そのうち現在、上下水道課には3名配置しております。町といたしましては、町の職務遂行に必要な人事配置を、常に念頭に置きながら、適宜、適切に職員を配置しております。そのため、特定の職員の退職により、直ちに事業が停止するということはございません。

【答弁に対しての意見等:仲島】

行政業務が停止しない点、安心しました。資格が無いと出来ない業務も多くあるかと存じます。専門性の高い職員育成だけに限らず、様々な課題に向き合い、教育に取組むことを継続いただきたいと存じます。

【要旨3についての確認等:仲島】

メンター制度の導入に感謝申し上げます。本制度の長所として、若手職員が経験豊富な職員から業務知識や組織文化を学ぶことで、業務習得の迅速化や職場定着率の向上が期待されます。また、メンターにとっても、自身の経験を整理し、指導力を高める機会となります。一方で、制度の運用には注意が必要です。

指導スキルに依存しすぎず、組織として適切なサポート体制を整えることが不可欠です。定期的な振り返りを行い、適切なマッチングや役割の明確化を図ることで、形骸化を防ぐことが求められます。制度のメリットと課題を踏まえ、効果的に運用されることを期待します。

【要旨4についての確認等:仲島】

伊奈町への愛着は重要ですが、エンゲージメントの観点から職場への愛着も欠かせません。若手職員にとっては、信頼関係の構築、相談しやすい環境、成長実感を得ることが求められています。柔軟なアイデアを取り入れる仕組みや、仕事と生活の両立を支援する働き方を導入することで、安心して長く働ける環境が整います。

 また、町民との対話機会を増やし、仕事の意義を実感できる場を設けることも効果的です。こうした取組みにより、職員のやりがいが向上し、町への誇りや定着率の向上につながると考えます。特に若年層の離職防止には、彼ら自身がプロジェクトチームを組み、課題解決に主体的に関与することが有効ではないでしょうか。

視点を変え、新たな発想で施策を検討することが重要だと考えます。


●がん患者に対する支援体制状況について

【質問:仲島】

がん患者の増加に伴い、身体的・心理的支援が求められています。特に15~39歳のAYA世代は、学業・就職・結婚・子育てなど重要なライフイベントと治療が重なり、社会復帰が困難になりやすい一方で、学校や職場での理解や配慮が不足しているのが現状です。そのため、自治体、医療機関、教育機関、地域が連携し、学業や就労を継続できる環境を整えることが不可欠です。がん患者支援に対して「自治体の財政負担が大きい」「個人の問題」といった誤解もありますが、適切な支援を行うことで社会復帰が促進され、医療費削減や地域活性化につながります。実際に、一部自治体では医療用ウィッグの補助や心理的サポートを行い、効果が報告されています。日本では2人に1人ががんになる可能性があるとされており、がんは誰にでも起こり得る問題であり、AYA世代の支援は将来の社会を支える若者を守るためにも、町全体で取り組むべき重要な課題です。それでは、質問いたします。


要旨1. 町におけるアピアランスケア事業の具体的な進捗について伺う。

要旨2.AYA世代に対する支援体制に対しての考えと現在の取組について伺う。

要旨3. 「がん」に対するホームページの掲示状況について伺う。


【答弁】

要旨1について.答弁者:健康福祉統括監(健康増進課)

仲島議員のご質問の「2.がん患者に対する支援体制状況について」につきまして、順次お答えを申し上げます。はじめに、「1.町におけるアピアランスケア事業の具体的な進捗状況について伺う。」でございますが、議員ご指摘のとおり、埼玉県では令和6年度より、「がん患者ウェルビーイング支援事業」として、がん治療に起因する外見の変化に苦痛を感じるがん患者に対して、ウィッグや乳房補整具等の購入費用の助成を新たに開始したところでございます。町といたしましても、がん患者が治療と社会生活を両立し、自分らしく生きるうえで、アピアランスケアは重要な支援であると認識しております。令和7年度より「がん患者アピアランス支援事業」として、埼玉県の補助金を活用し、ウィッグや乳房補整具等の購入にかかる費用の一部を助成する制度を開始したいと考えております。

要旨2について.答弁者:健康福祉統括監(健康増進課)

次に「2.AYA世代に対する支援体制に対しての考えと現在の取組について伺う。」でございますが、AYA世代の終末期がん患者が自宅で安心して看取りまでの療養生活を送ることができるよう、在宅療養に必要な訪問介護サービス等の支援体制を整えることは、患者及びその家族の介護負担、また経済的負担を軽減するうえで重要なものと考えております。町といたしましては、まずがん患者の支援といたしましてアピアランス支援事業から取り組み始め、AYA世代の在宅療養支援体制につきましても早期に対応できるよう検討を進めてまいりたいと考えております。

要旨3について.答弁者:健康福祉統括監(健康増進課)

次に、「3.「がん」に対するホームページ掲載状況と啓発について伺う。」でございますが、現在町のホームページにおいては、がん検診のご案内や精密検査が必要になった方への受診勧奨、その他、県のホームページの「がん相談支援センター」の情報等を掲載しております。令和7年度からは、新規事業といたしまして、「がん患者アピアランス支援事業」を開始する予定でございます。議員ご指摘のとおり、ホームページの掲載内容が不十分な点がございますので、速やかに掲載に内容を見直し、「がん患者の生活の質の向上」という視点からも、町民の皆様が知りたい情報を見やすく・分かりやすく提供できるよう他自治体の例を参考に充実させてまいります。


【確認・質問等】

【要旨1及び2についての確認等:仲島】

失礼な表現ですが、やっと伊奈町でも一歩目の支援体制が整った様で安心いたしました。 ここからが、スタートです。

ヤングケアラーとAYA世代は、それぞれ異なる背景を持つ若者たちですが、共通点が多く、両者とも成長期に特有の課題を抱え、進学・就職・人間関係に影響を受けやすい状況です。ヤングケアラーは家族のケア負担が、AYA世代は病気の影響が人生設計を左右します。支援には心理的・経済的サポートや社会的認知向上が不可欠であり、一人ひとりに適した支援が求められると考えております。こうした課題に対してましては、多角的かつ包括的なアプローチが大切であり、それらを踏まえた行政支援が求められています。また、町全体で支え合うことが大切で、町民皆さまの一人ひとりのご理解とご協力が、彼らの未来を明るく照らす力となります。

【要旨3についての確認等:仲島】

課題が明確になっていらっしゃる様なので、1日でも早い対応をお願いします。

いつもお願いしておりますが、町民、所謂、使う側の視点を大切にしてください。


●「子ども用車いす」の啓発状況及び庁舎のバリアフリーについて

【質問:仲島】

子ども用車いすの啓発とバリアフリー環境整備の重要性について要旨を求める前に再度確認させていただきます。

障害を抱える子どもたちが社会に積極的に参加し、円滑に日常生活を送るためには、子ども用車いすの適切な利用と、それを支える環境整備が不可欠です。しかし、一般的な車いすと比べて認知度が低く、その重要性が十分に理解されていないのが現状です。その結果、学校や公共施設での対応が不十分となり、子どもや保護者の移動が制限され、社会的孤立を招く要因となっています。この課題を解決するためには、自治体が率先して啓発活動を推進し、地域社会の理解を深めるとともに、包括的な支援体制を構築することが求められます。子ども用車いすは単なる移動手段ではなく、成長に応じた適切な支援を提供する福祉機器であり、教育現場や公共施設のバリアフリー化と一体的に進めるべきです。遊び場や交通機関を含めた物理的な整備を推進し、すべての子どもが自由に活動できる環境を整えることが重要となります。

 さらに、バリアフリーの推進は、障害を抱える子どもたちに限らず、高齢者やベビーカーを利用する家庭など、あらゆる住民にとっても利便性の向上につながります。物理的な環境整備だけでなく、地域全体の意識改革を進め、「心のバリアフリー」も促すことで、誰もが暮らしやすい共生社会の実現が可能となります。自治体が積極的に取り組むことで、伊奈町全体の福祉水準を向上させるとともに、すべての住民が支え合う地域づくりを推進することが重要です。では、大項目3についての要旨になります。


要旨1.「子ども用車いす」に関する現在の啓発活動について伺う。

要旨2. 病院や商店をはじめとする町内各所への「子ども用車いす」ポスターの掲示状     況について伺う。

要旨3. バリアフリーとユニバーサルデザインの違いをどの様に解釈しているかを伺う。

要旨4. 庁舎内の和式トイレには全室手すりが付いていないが、バリアフリー等の観点を    踏まえ説明を求む。

要旨5. 洋式トイレでは、片側のみにしか手すりがつけられていない。何故、片側だけに    しか取り付けられていないのか説明を求む。


【答弁】

要旨1について.答弁者:健康福祉統括監(社会福祉課)

仲島議員のご質問のうち「3 「子ども用車いす」の啓発状況及び庁舎のバリアフリーについて」のうち、所管事項につきまして順次お答えを申し上げます。はじめに「1.「子ども用車いす」に関する現在の啓発活動について伺う。」でございますが、これまで、広報いなや町ホームページを活用し、広く周知を行っているほか、町が主催するイベントにおいて、啓発用のチラシを配布するなど、子ども用車いすの理解や、利用する方への配慮につきまして、情報の発信に取り組んでおります。

要旨2について.答弁者:健康福祉統括監(社会福祉課)

次に、「2.病院や商店をはじめとする町内各所への「子ども用車いす」ポスターの掲示状況について伺う。」につきましては、伊奈町商工会を通して、会員である、町内の商店や病院などに「子ども用車いす」に関する啓発用のチラシを配布し、各事業者でのチラシの掲示及び障害者差別の解消に向けた取組みの協力を、お願いしているところでございます。

要旨3について.答弁者:健康福祉統括監(社会福祉課)

次に、「3.バリアフリーとユニバーサルデザインの違いをどの様に解釈しているかを伺う。」でございますが、国が定める、障害者基本計画によると、バリアフリーにつきましては、高齢者や障がいがある方など、日常生活において不便を抱える特定の誰かのために、例えば、段差等の物理的な障壁や、社会参加を困難にしている社会的、制度的、心理的なすべての障壁に対し、取り除く、あるいは、改善するなど、障害によりもたらされるバリア「障壁」に対処する考え方とございます。町といたしましても、同様に捉え、障害があることを前提に、その障壁を後から取り除くという考え方と解釈しております。

 一方、ユニバーサルデザインは、障害の有無、年齢、性別、人種等にかかわらず多様な人々が利用しやすいように、最初からデザインするという考え方とございます。町といたしましても、同様に捉え、誰もが利用しやすく、安心で快適に暮らせる社会となるよう、まちや建物、ものやシステムなどを、利用者の視点を重視して考えたデザインであると解釈しております。したがいまして、バリアフリーとユニバーサルデザインは、成り立ちや対象となる考え方に違いはございますが、どちらも、より快適で暮らしやすい社会を目指す点は同じでございますので、行政として様々な取り組みを進めているところでございます。

要旨4について.答弁者:企画総務統括監(総務課)

仲島議員のご質問の「3.「子ども用車いす」の啓発状況及び庁舎のバリアフリーについて」のうち、所管事項につきまして、順次お答えを申し上げます。はじめに「4.庁舎内の和式トイレには全室手すりが付いていないが、バリアフリー等の観点を踏まえ説明を求む。」でございますが、現在の役場庁舎には、トイレが各階に2か所ずつと、東庁舎1階に多目的トイレを1か所設置しております。各トイレには男女とも洋式便器を一基設置しており、それ以外は和式便器となっております。

 現在手すりが必要な高齢の方や、障がいをお持ちの方のご利用につきましては、多目的トイレや手すりのある洋式便器トイレをご案内しているところでございます。

なお、議員ご案内のとおり、役場庁舎の和式便器トイレには、現在のところ手すりは設置してございません。しかしながら、バリアフリーの観点から、高齢の方や障がいをお持ちの方が和式便器トイレを使用した場合を想定しますと、手すりを設置することについては、利用される方の立場に寄り添った対応と捉えております。つきましては、町民の方が多く利用される箇所の、和式便器トイレへ手すりを設置してまいります。

要旨5について.答弁者:企画総務統括監(総務課)

次に「5.洋式トイレでは、片側のみにしか手すりが付けられていない。何故、片側だけにしか取付けられていないのか説明を求む。」でございますが、現在、東庁舎1階の多目的トイレ及び東庁舎1階女子洋式便器トイレにつきましては、両側に手すりを設置しております。それ以外の洋式便器トイレにつきましては、手すりが設置されているものは、全て片側への手すり設置でございます。なお、望ましいバリアフリートイレのあり方として、手すり以外にも、扉の引き戸化や、空間の確保など、現在の庁舎の配置では難しい点も数多くございます。しかしながら、両側に手すりがあることで、座ったり立ち上がったりする際のサポートとなり、転倒リスクの軽減が図れるものと認識しておりますので、各階のトイレ内の配置やスペースなどを再確認し、手すりの設置について可能な限り検討いたします。

 また、既存の多目的トイレや、両側手すり設置済みトイレにつきましては、高齢の方や障がいのある方などに分かりやすい表示をするなど、工夫をしてまいります。


【確認・質問等】

【要旨1及び2についての確認等:仲島】

啓発に関することを質問いたしました。

形だけの啓発ではなく、お困り方々の視点や行動をしっかり検討した上での行う必要があると考えます。単なる啓発ではなく、伊奈町で安心して生活できることが啓発の大前提になるかと存じます。

【要旨3についての確認等:仲島】

混同しやすいバリアフリーとユニバーサルデザインについて、ひとつ例を挙げてみます。建物玄関前に段差があったとします。玄関前にある段差にスロープを付けるのはバリアフリーの考え方です。

 一方、ユニバーサルデザインでは、設計時点からスロープを計画し作りあげます。完成した入口は全く同じ形状なのですが、発案された経緯、所謂プロセスが違ってきます。また、普及の方法も大きく違い、バリアフリーは法律等で規制する事で普及させる「行政指導型」ですが、ユニバーサルデザインは、良いものを褒めたたえ推奨する「民間主導型」と2つは大きく異なっております。新庁舎の具体的な設計に際しましては、それらを踏まえて行ってください。

【要旨4及び5についての確認等:仲島】

設置に関するご答弁に感謝申し上げます。設置にあたっては、高齢者や身体が不自由な方々が安全かつ快適に利用できるよう、専門的な知見を生かした設計が不可欠です。ぜひ、理学療法士・作業療法士・介護従事者の意見を取り入れ、利用者の視点に立った設置をお願いいたします。また、人は日常の環境に慣れると、危険や課題への意識が薄れがちです。既存の状態を「問題ない」と捉えてしまい、改善の機会を逃すこともあります。行政の現場においても、慣例に沿うあまり、安全対策や環境整備の見直しが後回しになる可能性があります。こうした認知バイアスを克服するためには、常に客観的な視点を持ち、小さな変化にも注意を払うことが重要です。

 行政が主体的にリスクを見極め、定期的な検証と改善を行うことで、町民の安心・安全が確保されます。意識を少し変えるだけで、住民の生活の質は大きく向上します。設置にあたっては、単なる設備導入にとどまらず、より良い環境づくりに向けた継続的な検討をお願いいたします。

【再質問:仲島】傍聴者及び議場で表示した資料

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和式トイレの手すり設置予定はいつ頃になるのでしょうか。また、北庁舎3階男性洋式トイレの手すりが破損していました。今は、私が状況をお伝えしたことからかも知れませんが、写真の様に修繕されています。そこで、庁舎内の設備や備品の管理体制について教えてください。

【答弁】答弁者:企画総務統括監(総務課)

すべての和式トイレへの手すり設置は考えておりませんが、東庁舎1階など町民の方が多く利用されるトイレにつきましては、業者との現場での打ち合わせを早期に行い、遅くとも5月頃までには設置いたします。設備や備品の管理体制につきましては、法定点検・定期点検のほか、利用者や職員、夜間警備員、日中の清掃員等からの報告により、総務課や担当課にて確認し、速やかに修繕等を実施しております。

【答弁に対しての意見等:仲島】

設置の目安がおおよそ分かり、安心しました。

管理に関してですが、「周囲が動かなければ自分も動かない」と言う集団心理は、誰にでも起こりうることです。しかし、それでは問題解決には繋がりません。慣れが意識を低下させます。しかし、常に意識を高く持つことは難しい。大切なのは、客観的な視点を保ち、小さな変化にも気づくことです。問題意識の低下を認識し、意識的に目を向けることで、より良い環境づくりに繋がります。その意識継続が難しいならば、設備管理係の様な専門的な体制を整える必要があるのではないでしょうか。


●プレクラス制度導入検討について

【質問:仲島】傍聴者及び議場で表示した資料

人口減少は地域の活力や行政サービスに深刻な影響を及ぼす重要な課題であり、その少子高齢化の波は伊奈町にも及んでいます。2025年3月1日現在、町の総人口は45,000人です。前月比9人減、前年同日比31人減、前々年比では131人もの減少が確認できます。人口減少の一般的要因として、出生率低下、若年層の都市部への流出、高齢化の進行が挙げられます。若年層流出は地域労働力不足を招き、地域経済の衰退を加速させ、高齢化が進むことで医療や福祉サービスの需要が増加し、現役世代の減少が財政負担を拡大させ、公共サービスの縮小や地域コミュニティの弱体化につながる可能性があります。

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 たに策定される伊奈町総合振興計画(案)において、令和16年度の人口目標は46,000人と設定されています。しかし、人口推計には異なる見解が存在します。国立社会保障・人口問題研究所の推計では、令和12年をピークに人口は減少へ転じるとされる一方、町企画課の推計では微増が続く見通しです。いずれにせよ、令和12年が人口動向の分岐点となることは明白であり、人口増加に向けての有効な施策を早急に講じる必要があります。人口減少対策として、一般的には若年層の定住促進、地域産業の活性化、空き家対策、住環境の整備、公共交通の充実、子育て支援の強化が挙げられます。中でも、子育て支援は関心度が高く、移住・定住促進において極めて重要な要素であり、保育環境の充実、教育支援の強化、仕事と育児の両立支援など、長期的な視点に立った施策が求められます。

現在、多くの自治体では、補助金を中心とした子育て支援を実施しており、特に小学校入学前の子どもを対象とする傾向があります。しかし、この手法だけでは差別化が困難であり、移住・定住促進に十分な効果を発揮しにくいのが実情です。

 伊奈町が持続可能な社会を実現するためには、補助金頼みではなく、子育て世代にとって魅力的な環境整備が不可欠です。具体的には、子どもの成長段階に応じた切れ目のない支援体制を整備し、教育環境の向上や地域コミュニティの充実を図ることが求められます。また、子育て世代が働きやすい環境整備も重要であり、企業との連携による柔軟な働き方の推進や、子育て支援施設の充実を図ることで、安心して暮らせる町を実現できると考えています。

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このような背景のもと、東京都港区では2025年度から区立小学校において「プレクラス制度」の導入を決定しました。この制度をご存じでしょうか。「プレクラス制度」とは、新入生が4月に仮のクラスで過ごし、その間に児童の特性を把握した上で5月に正式なクラス編成を行う仕組みです。1年生担任全員が2~3日ごとに教室をローテーションし、児童と多く関わることで、より適切なクラス編成を目指します。

 この背景には、児童の多様化と安定した学級運営の必要性があります。新入生の適応度には個人差があり、早い段階で適切な環境を整えることが求められます。プレクラス制度の導入により、学力や性格のバランスを考慮したクラス編成が可能となり、児童が安心して学校生活を始めることができます。また、学級崩壊のリスクを低減し、教員の負担を軽減する効果も期待されております。

 一方で、制度導入には課題も存在します。例えば、教員の負担増、情報共有の仕組み、適切な評価方法の確立などが挙げられます。新学期に児童を観察し、適切なクラスを編成するためには、効率的な方法と情報共有の仕組みが欠かせません。また、保護者への説明不足は不安を生む可能性があり、制度の目的や利点を丁寧に伝えることが重要です。既に港区の一部の学校では実証実験が行われており、成果が確認されています。成功すれば全国への波及も期待され、より良い学級環境の構築につながります。伊奈町においても、教育環境の充実は移住・定住促進の観点から重要な政策課題の一つです。プレクラス制度のような柔軟な学級編成の工夫を含め、町の特性に適した教育施策の検討を進めるべきではないでしょうか。子どもたちが安心して学べる環境を整え、家族が住み続けたくなる町を目指すことが、人口減少を防ぎ、持続可能なまちづくりにつながると考えます。

それでは、質問に入ります。

要旨1.小学校1年生のクラス編成は、どの様な情報を基に実施しているか伺う。

要旨2.小学校1年生を担当する教員の経験年数は、概ね何年となっているのか伺う。

要旨3.小学校1年生のクラス編成で苦慮する事はどの様な内容か伺う。

要旨4.町でプレクラス制度が導入されると仮定した場合、どの様な事が障壁となると考えるか。

要旨5.既に導入が行われる予定である東京都港区への視察等は検討しないのか。

以上、多角的な視点と長期的な見通しを踏まえてご答弁ください。


【答弁】

要旨1について.答弁者:教育次長(学校教育課)

仲島議員のご質問の「4.プレクラス制度導入検討について」につきまして、順次お答えを申し上げます。はじめに 「1.小学校1年生のクラス編成は、どの様な情報を基に実施しているか伺う。」 でございますが 、教育委員会が実施する 「就学時健康診断の状況」 や 「幼稚園保育園等訪問での観察の様子」、「幼児教育振興協議会における幼児教育振興協議会における、幼稚園保育園等とでの情報交換情報交換」、「希望希望されたされた保護者保護者へのへの就学就学相談相談」」等を参考に、新入児の発達の特性や健康状態等の様々な実態の様々な実態、男女比や居住地域のバランス等を考慮して実施しております。

要旨2について.答弁者:教育次長(学校教育課)

次に 「2.学校1年生を担当する教員の経験年数は、概ね何年となっているか伺う。」 でございますが、町内4小学校の1年生担任の経験年数の平均は、令和6年度は16.1年、令和5年度は13.5年、令和4年度は16.4年となっております。

要旨3について.答弁者:教育次長(学校教育課)

「3.小学校1年生のクラス編成に苦慮する事はどの様な内容か。」でございますが、小学校1年生のクラス編制に限らず、どの学年のクラス編制においても、限られたクラス数の中で様々な要因を考慮する必要があることがクラス編制での苦慮となっております。なお、令和4年度の文部科学省の調査では、現在通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒の割合は、1学級8.8%と増加傾向であり、クラスによる偏りが少なくなるよう、編制で配慮しております。

要旨4について.答弁者:教育次長(学校教育課)

「4.町でプレクラス制度が導入されると仮定した場合、どの様な事が障壁となると考えるか。」でございますが、新入児が4 月の1ヶ月間で学校生活に慣れてきて、友達や先生の顔を覚えてきたところ 「それまでの居場所」や「絆などの関係性」 によって築かれたコミュニティ-が解体されてしまうことを不安に感じるのではないか、また、再編制されるクラスは、全ての子供たちにとって、よりよいものにできるのかと懸念しております。

要旨5について.答弁者:教育次長(学校教育課)

「5.既に導入が行われる予定である東京都港区への視察等を検討しないか。」 でございますが、現在、視察等の予定はございません 。


【確認・質問等】

【要旨1及び2についての確認等:仲島】

小学校1年生のクラス編成において、多様な情報を参考にしている点は評価でき、基準が示されていることも安心感につながります。しかし、答弁において、具体的な活用方法や課題についての説明が不足しており、私としては、現状を明確に把握できなかったのは残念です。ぜひ、機会を設けて説明をお聴きできれば幸いです。教員の長年の経験は伊奈町の強みといえますが、時代とともに変化する保護者のニーズや教育環境に対して、柔軟に対応する姿勢も求められます。今後、さらなる改善と適応力の向上に期待したいと思います。

【要旨3についての確認等:仲島】

小学校1年生のクラス編成において、限られたクラス数の中で多様な要因を考慮する必要がある点は理解できます。特に、特別な教育的支援を必要とする児童の増加に伴い、クラス内の偏りを抑える工夫が求められています。しかし、入学時点で児童の特性を正確に把握することには限界があり、より適切なクラス編成を実現するには時間をかけた観察が必要です。プレクラス制度は、この課題を補い、児童一人ひとりに合った学級環境を整える有効な手段となるのではないでしょうか。また、この答弁から伊奈町でのクラス編成の課題が浮き彫りになった様に感じますが、如何でしょうか。

【要旨4についての確認等:仲島】

制度導入にあたり、4月の1ヶ月間で築かれた友人関係や安心できる環境が、解体されることへの不安が懸念されます。しかし、プレクラス制度は単なるクラス再編ではなく、児童の適性や相性をより正確に把握し、学習や社会性の発達を最大限に支援する仕組みです。まず、短期間での適応力を育むために、プレクラス期間中は複数の教員が児童と関わり、安心感を醸成します。

 また、観察データを基に、学習面・心理面のバランスを考慮したクラス編成を行うことで、従来の一斉編成よりも適切な学級環境が整備されます。さらに、プレクラス期間中に協調性やコミュニケーション能力を高める活動を取り入れることで、5月以降の新しいクラスへの適応も円滑に進めることが可能です。このように、プレクラス制度は児童の成長に寄与し、不安を最小限に抑えながら、最適な学級編成を実現する有効な手段と考えられます。大人達が想像する以上に、児童達は柔軟に対応できると港区職員の方は、お話くださいました。尚、私は、港区へ訪問し担当職員からプレクラス制度について説明を受けました。

【要旨5についての確認等:仲島】

申し訳ございませんが、想像とおりの答弁です。教員の皆さまは、お忙しいから視察をする余裕があれば、子ども達と向き合うことを優先されるのは仕方ないです。自治体規模や予算も違う、また、他府県では状況違うとお考えかも知れません。しかし、それで良いのでしょうか。子ども達のためにも教員の学びの機会を大切にして欲しいと個人的には感じました。また、教員の皆さまが、「教育は失敗してはいけない」と考えてくださることも十分承知した上で提案しています。

 

伊奈町の人口減少は、地域の未来を左右する重要な課題です。持続可能な地域社会の実現には、雇用創出、住環境整備、公共サービスの充実といった多角的な対策が必要です。特に、子育て支援の強化により若年層の定住を促し、人口減少の抑制が期待されます。行政は地域住民や企業と連携し、実効性のある施策を講じる必要があります。困難は伴いますが、町民の生命と財産、そして自治体の存続を見据えた積極的な取り組みが求められると考えております。

 

以上、私の一般質問を終了します。ありがとうございました。



次回2025年6月定例会・一般質問について

①増え続ける民生費抑制にも繋がると考えている「フレイル対策」や神奈川県で積極的に  進めている「未病対策」について

②防犯対策と一役を担う「防犯カメラ」関係について


現段階では、以上の2点を取り上げたいと考えております。


































 


仲島ゆうた 日本維新の会・伊奈町議会議員

©2023 仲島ゆうた 日本維新の会・伊奈町議会議員

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