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行政視察報告              令和8年2月4日~5日①                   

  • n42yuta930
  • 1 日前
  • 読了時間: 7分

更新日:11 時間前

~大磯町議会に学ぶ 継続する議会改革と政策提案の実践~ ●視察概要   議会の役割と議員提案条例を見据えた行政視察について

令和8年2月4日から5日にかけて、伊奈町議会として行政視察を実施しました。視察先は、神奈川県大磯町議会であり、あわせて翌日には、関東学院大学法学部地域創生学科の津軽石教授による講義を受講しました。

今回の行政視察は、従来の事例調査型の視察とは異なり、議会の役割とは何か、議員に与えられた権限をどのように行使すべきかを改めて見つめ直す視点から企画したものです。背景には、会派グループ内において、今後は議員提案条例の策定を本格的に検討すべきではないかという問題意識を共有し、継続的に議論を重ねてきた経緯があります。議論にとどまらず、実際の行動として視察を行い、先進事例と学術的知見の双方から学ぶ機会として実施しました。

議員提案条例の策定を強く意識するようになったきっかけは、令和7年9月定例会で行った一般質問、『市街化調整区域における土地利用の実態と対策について』です。伊奈町に残された自然環境は、今を生きる私たちだけのものではなく、将来世代へ引き継ぐべき重要な財産です。その保全と適正な利用を両立させるためには、理念だけでなく、実効性を備えた制度設計が不可欠であると考えています。

一方で、伊奈町議会では、これまで理念的な位置付けの条例制定は行われてきたものの、具体的な課題解決を目的とした実効性の高い議員提案条例の策定には至っていないのが現状です。議員に付与されている条例提案権を町民の将来のために適切に行使するためには、個々の議員の制度理解を深めるとともに、議会全体として政策立案能力を高めていく必要があります。 ●大磯町の概要 公式ホームページ https://www.town.oiso.kanagawa.jp

大磯町は神奈川県の南西部に位置し、東は平塚市、西は二宮町、北は中井町に接し、南は相模湾に面しています。湘南地域の西端に位置し、海と山の双方に近接した地理的条件を有しています。地形は、南側の海岸部から内陸にかけて丘陵地が広がり、北部には高麗山を中心とした山地が形成されています。町内には葛川などの河川が流れ、山と海が近い自然環境が特徴です。気候は太平洋側気候に属し、比較的温暖で、降雪は少ない地域とされています。

 大磯は、古くから東海道の宿場町として栄え、江戸時代には大磯宿が置かれていました。明治時代以降は、日本における初期の海水浴場の一つとして知られ、別荘地として発展しました。伊藤博文や吉田茂など、近代日本を代表する政治家が居を構えた地としても知られています。現在の大磯町は、歴史的資源と豊かな自然環境を背景に、落ち着いた住環境を有する町として位置付けられています。首都圏からの交通アクセスにも恵まれつつ、観光と定住が共存するまちづくりが進められています。 令和8年1月1日現在(大磯町HPより) 総人口30,458人、男14,773人、女15385人、13,089世帯。 令和7年度一般会計歳入歳出当初予算の総額は、127億8,411万円 ●大磯町議会の特徴  長年積み重ねられてきた議会改革と情報公開

大磯町議会の最大の特徴は、町民にとって分かりやすく、参加しやすい議会を目指し、単発ではなく長年にわたり議会改革を積み重ねてきた点にあります。平成16年には本会議の生中継を開始し、翌年には一般質問の回数制限を撤廃するなど、現在では多くの自治体で一般的となった取り組みを20年以上前から実施してきました。また、本会議にとどまらず、常任委員会等の会議録や配布資料についても全文を記録し、インターネット上で公開しています。

大磯町議会議場の様子          町民に開かれた議会運営を象徴する空間
大磯町議会議場の様子          町民に開かれた議会運営を象徴する空間

町民が後からでも議論の経過や判断の根拠を確認できる仕組みが制度として定着しており、議会の説明責任を果たすうえで極めて重要だと感じました。



●ICT活用による分かりやすい議会運営 パワーポイント導入と視覚的な質疑の工夫

大磯町議会では、平成29年から一般質問においてパワーポイントを導入し、図表を用いた視覚的に分かりやすい質疑を行っています。使用は義務ではありませんが、現在は議員のおよそ半数が活用しており、町民に伝わりやすい議会運営を意識した工夫が進められています。

一方で、操作負担への配慮や、投影した資料内容をどのように議事録へ反映させるかといった実務面での課題も共有されており、改善を重ねながら運用されている点も参考となりました。

一般質問で使用されている資料投影状況                                         図表を用いた分かりやすい説明を重視した質疑の工夫
一般質問で使用されている資料投影状況                                         図表を用いた分かりやすい説明を重視した質疑の工夫

●町民との対話と参加の仕組み 議会報告会と少人数意見交換会の取り組み

オンラインを併用した議会報告会の事例                多様な町民参加を可能にするハイブリッド型       (大磯町議会提供資料より抜粋)
オンラインを併用した議会報告会の事例 多様な町民参加を可能にするハイブリッド型 (大磯町議会提供資料より抜粋)

町民との対話の取り組みとしては、従来型の議会報告会に加え、新型コロナ禍を契機にオンラインを併用したハイブリッド形式の議会報告会を継続しています。参加人数自体は多くないものの、子育て世代や遠方在住の方など、これまで議会との接点が持ちにくかった層の参加実績があり、議会として一定の意義を見出しているとの説明がありました。

また、議員が地域に出向き、少人数で行う意見交換会も実施されており、形式張らない場で率直な意見を聞ける点が町民から高く評価されているとのことでした。

●委員会活動と政策形成 調査研究を重ね、条例制定につなげる仕組み

大磯町議会では、常任委員会が2年間のテーマを設定し、調査研究を積み重ねたうえで政策提言や条例制定につなげています。再生可能エネルギーに関する条例は、視察や専門家との意見交換、町民意見の募集を経て制定されたもので、議会が主体的に政策を形にした好例です。

委員会活動を単なる審査の場にとどめず、政策形成の場として位置付けている点は、伊奈町議会にとっても大きな示唆となりました。 ・現在の検討事項… ICT化の推進、災害時の議会対応、町民参加の促進、町議会と町長の同時選挙、  議員報酬の見直し、陳情審査の手順などが挙げられている。

●視察から得た示唆 伊奈町議会に生かすべき視点と今後の方向性

今回の視察を通じて、議会改革とは制度を一度整えて終わるものではなく、任期を超えて考え方と実践が引き継がれていく不断の取り組みであることを改めて認識しました。情報公開や町民との対話は、特別な施策ではなく、日常の議会運営を丁寧に積み重ねていくことが信頼につながると感じています。

また、委員会を中心に調査研究を重ね、政策提言や条例制定へと結び付けている点は、議会が主体的に町の将来像を描いていく姿勢の表れであり、議会本来の役割を体現するものです。

今回得た知見を踏まえ、伊奈町議会においても、町民に開かれ、信頼される議会を目指し、改革を一過性のものとせず、着実に積み重ねていく必要性を強く感じています。今回の行政視察は、その方向性を再確認する有意義な機会でした。 ●女性議員の比率

大磯町議会では、定数16人中7人が女性議員であり、少なくとも22年以上にわたり半数近い比率を維持している。一時期は女性が男性の数を上回ったこともあった。背景には、地域活動が盛んで、そこから議会へ進出する女性が立候補しやすい土壌があることが挙げられている。 ●ブログとの相互案内

本ページでは、行政視察の背景や大磯町議会の取組内容を、制度や仕組みを中心に整理しています。一方で、視察に至った経緯や、現地で感じた率直な所感、問題意識については、ブログにて分かりやすくまとめています。

議会改革や町政に関心のある方は、ぜひブログとあわせてご覧いただくことで、今回の行政視察の意図や、伊奈町議会が目指す方向性をより具体的に感じていただければと思います。 仲島ゆうたブログ https://go2senkyo.com/seijika/185832


▼大磯議会に対する質問 (仲島が中心となり会派グループとして提出)


仲島ゆうた 日本維新の会・伊奈町議会議員

©2023 仲島ゆうた 日本維新の会・伊奈町議会議員

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